熱と核融合まで一堂に集まる関西のエネルギー展示会が示す転換点

HEAT PUMP SERVICE / FIELD GUIDE

熱と核融合まで一堂に集まる関西のエネルギー展示会が示す転換点

11月18日から3日間、インテックス大阪で開かれるSMART ENERGY WEEK関西。関西初の熱エネルギー展と核融合発電ワールドの新設が、企業の省エネ投資や調達戦略にもたらす意味を読み解きます。

公開日 |読了目安 4分

11月18日から3日間、インテックス大阪で開かれるSMART ENERGY WEEK関西。関西初の熱エネルギー展と核融合発電ワールドの新設が、企業の省エネ投資や調達戦略にもたらす意味を読み解きます。

ニュースの概要

RX Japanは、エネルギー関連の総合展示会「SMART ENERGY WEEK【関西】」を、11月18日から20日までインテックス大阪で開催します。今回の目玉は二つあります。一つは、関西で初めて設ける「熱エネルギー展」です。工場やビルで使う熱の効率化に焦点を当てます。もう一つは「核融合発電ワールド」で、まだ実用前の次世代技術を産業界の目線で紹介する場になります。太陽光や蓄電池といった電気中心の展示に、熱と未来技術が加わる形です。関西の企業にとっては、東京まで足を運ばずに最新の設備や提案を比較できる機会が広がります。

引用元: 「SMART ENERGY WEEK【関西】」11月18日〜20日にインテックス大阪で開催 関西初の「熱エネルギー展」を新設、核融合発電ワールドも RX Japan(株式会社MICE研究所)

分析・見解

電気の展示会に熱が加わった意味

これまでのエネルギー展は、太陽光、風力、蓄電池といった電気の話が中心でした。ところが、工場の消費エネルギーの多くは電気ではなく熱です。経済産業省の統計でも、産業部門の最終エネルギー消費のうち熱用途は半分を超えるとされています。蒸気、温水、乾燥炉、冷凍設備。こうした熱の使い道は地味ですが、削減余地は大きい分野です。

今回、関西初の熱エネルギー展が新設されたのは、需要側の関心が移ってきた表れでしょう。発電側の脱炭素は進みました。次は使う側、特に熱の無駄を減らす番だという流れです。

関西という立地が熱需要と相性が良い理由

関西には、化学、金属加工、食品、繊維といった熱を大量に使う工場が集まっています。大阪湾岸から播磨にかけては、素材産業の集積地でもあります。こうした現場では、排熱(=使われずに捨てられている熱)の回収や、ヒートポンプ(=空気中の熱を集めて温度を上げる装置)への切り替えが現実の課題です。

東京開催の展示会では、関西の中小製造業は出張費と時間の面で参加しにくい面がありました。地元開催になれば、現場の担当者が実機を見て、その場で相談できます。展示会の価値は商談の数だけでなく、現場の人が気軽に来られるかどうかにも左右されます。

核融合を同じ会場に置いた狙いを読む

核融合発電は、太陽の仕組みを地上で再現する技術です。日本でも政府が国家戦略として開発を後押しし、国内外のスタートアップが資金を集めています。ただし、商用化は早くても2030年代以降とみられ、今すぐ発電所が建つわけではありません。

では、なぜ今、展示会に加えるのか。理由は部品や素材の供給網にあります。超伝導磁石、特殊な金属材料、真空容器、精密加工。こうした分野は、すでに関西の中堅企業が得意とする領域と重なります。完成した発電所を売る話ではなく、部品を納めて参入する話として見ると、展示の意味がはっきりします。

万博後の関西が抱える宿題との接点

2025年の大阪・関西万博は、最先端技術を見せる場として成功しました。ただ、万博で見た技術を地域の産業にどうつなげるかは、その後の宿題です。今回の展示会は、見せる場から使う場へ移る一歩とも言えます。

一方で、展示会は出展企業の宣伝の場でもあります。来場者は、カタログの数字をそのまま信じず、自社の運転条件でどれだけ効果が出るかを必ず確かめるべきです。熱の削減効果は、設備の使い方で大きく変わるためです。

ビジネスへの影響

来場前に自社の熱の使い方を数字で把握する

展示会で成果を出す企業は、行く前に準備をしています。まず、自社工場やビルで、どの工程にどれだけ熱を使っているかを月ごとに整理してください。燃料の請求書と稼働記録があれば十分です。温度帯が分かれば、ヒートポンプで足りるのか、排熱回収が向くのかを出展者と具体的に話せます。

見積もりを取る際は、設備費だけでなく、燃料費の削減額と回収年数もそろえて聞きましょう。補助金の対象になるかも、その場で確認すると手戻りが減ります。

核融合は投資ではなく情報収集の対象と割り切る

核融合関連のブースは、すぐに売上へつながる商談というより、将来の取引先候補との接点づくりに向いています。自社の加工技術や材料が使えそうなら、仕様や認証の条件だけでも聞いておく価値があります。

経営判断としては、人員を大きく割く必要はありません。担当者を一人決め、年に数回の情報収集を続ける程度で十分です。数年後に公募や部品調達の話が出たとき、顔見知りがいるかどうかが差になります。

営業や調達の担当者は、三日間のうち一日だけでも熱エネルギー展に時間を割くことをおすすめします。

関連記事

Xで共有 Facebookで共有